ワットパクナムパーシーチャロンの小葉

ワットパクナムの概要

ワットパクナム(ワットは寺)は、アユタヤ王朝時代(西暦1350―1767)後期の18世紀はじめトンブリー地域(パクナムとは「河口」の意味)の現在地(パーシーチャロン)に建立されました。しかし当時の資料は現在見当たらず規模や陣容はわかりません。

その後、仏暦2460(西暦1917)年にプラモンコンテープムニー(西暦1885―1959)が僧正になってから飛躍的にクローズアップされた寺となり僧侶数・施設そして教育・訓練内容が拡充されてきました。特にルアンポー(偉大な父)ワットパクナムとよばれの瞑想の理論と実践法は全国的に著名になりました。

また、ワットパクナムの他の寺と異なった特徴は、規模以外に尼僧の大量受入れと養成、海外との交流や外国人僧の受入れと養成そしてパーリ語の教育の拡充発展もプラモンコンテープムニー時代に行われています。

現僧正のソムデット プラマハーラチャマンカラチャーン(西暦1925年生まれ)は、前僧正の跡継ぎとしてますます拡充発展させタイ僧伽(サンガ)のマハーニカイ派の最高長老(ソムデット)を仏暦2438(西暦1995)年から務めております。僧正には仏暦2408(西暦1965)になっています。新たに加わった社会的事業は、30年以上にわたる当寺での献血活動で、タイ赤十字をはじめ多くの関連団体と信頼関係を築いています。これらを発展させた社会的事業に多く挑戦しています。

 

    規模と陣容;

僧侶数は入安居(あんごう)の日、仏暦2545(西暦2002)年7月21日で僧261名、少年(見習い)僧53名、尼僧148名の合計462名です。寺院内には大きく8つの組織があり、担当は内容によって人数が決めれれています。副住職格の長老僧が8名いて責任体制が確立されています。いくつかの行事や企画には古参の僧が随時協力して行なっています。

主な施設は、他の寺と異なり瞑想発展会館(ホーチュロンウッパサナー)、モンコンテープムニーを偲ぶ会館(ホーソンウエーチアニアモンコンテープニーラミッツ)、ルアンポー100歳記念場(アムソーン)、特別法身ビル(ツークピッセイタンマカーイ。図書館1階、美術館2階)、発展記念タンマ経典学校(ローンリエンプラプリヤッテイタンマタワナームサン)をはじめ他の寺と同様にあるウボソ(布薩堂、僧の礼拝堂)、プラタビドー(教典書庫)、サーラー(ホール、大食堂)、ウイハーン(仏堂)とウイハーンコー(信者の納骨所)、クティ(僧房)が大小15棟、あります。そして広い駐車場や庭石が動物に似たのをあつめた庭園もあります。

ワットパクナムは運河に面しているのでワットパクナム港もありますのでチャオプラヤ川からの船の交通手段は便利です。また、市内バス(4・9番)は、ここが終点なのでわかりやすいです。

 

    瞑想(ウッパサナー)とプラモンコンテープムニー;

毎日朝と夕の2回瞑想会が「瞑想発展会館」の2階で行われています。常時は、僧侶・尼僧・信者の200名前後が参加してます。最大400名は収容可能で冷房も完備しています。ほぼ30分法話、30分お経、30分瞑想の1時間半です。土・日は、昼間2回、仏陀の日は、昼間1回追加されます。瞑想の効能は、精神の安定や洞察力が養われることから悟りまでの段階が有り、続けることが大切です。プラモンコンテープムニーの理論は、呼吸法から始まります。イメージした水晶球を鼻から引き入れ臍(へそ)の真上までの7ステップで移動させ停止させる理論と実践法です。

    寺の行事;

年間行事は他の寺と特に変わる事はないです。マハーラハブーチャー(万物節、3・4月)、ウィサカブーチャー(仏誕節、6月)アッタミブーチャー( 仏陀誕生日、6月)、アサラハブーチャー(三宝節、8月)の4大行事があります。また、毎月の新月と満月には戒律を確認する儀式の「パティモーク」があります。その他寺全体の参加行事以外には寺の支援協会主催の僧正の誕生日行事や尼僧会団体からの寄進の行事等が随時あります。

 

    僧の一日;

朝4時には起床のため寺の鐘がなります。6時前からサーラーで朝食、食事後布薩堂(礼拝堂)で朝の祈り。托鉢にはワンプラ(仏陀の日)以外は認められていないのでサーラー(大食堂)で僧正以下一緒に食べます。信者からの寄進の受け取りや金銭での布施の感謝状交付も食事前後にサーラーで行なわれます。食後午前から学校に行く人、瞑想に行く人、自房で勉強する人がいます。そして最後の食事が11時からの昼食で、すべてを12時までには終わらないといけないです。午後からも学校に行く人(仏教大学や寺院内)、自房で勉強する人がいます。夕方5時からが夕の祈り。その後瞑想会に参加して1日が終わります。安居期間中は特別プログラムが加わります。また外出は祝賀・式典などの行事や昼の食事招待が多いです。個人的な用事もそれらの合間に行い、自分ですべてします。

 

    出家;

「得度式=ブアット」といって僧正や戒師などの参加によって審査されます。条件は、20歳以上である。男性である。親の許可がある。債務がない。身体に障害がない。特殊な病気がない。などです。そのためのパーリ語のお経によって式がすすめられるので暗記が必要です。

ただ少年僧=見習い僧(ほぼ7歳から20歳未満)は、条件が異なります。また、出家期間は決められてないのでいつでも還俗できます。

 

    日本とワットパクナムとの交流

戦前から50名以上の日本人が当寺で出家・修行しています。その後多くの国や寺そして分野で活躍しています。日本でも僧侶だった方からタイの仏教を勉強される方までいろいろです。ワットパクナムで修行をする人のために審査をし金銭面で支援している留学僧育英会(横浜・善光寺内)では既に1985(昭和60)年から現在迄14名を支援しています。また、真如苑(立川市)からワットパクナムへ涅槃像の寄贈(美術館に展示)があり信者の方がよく訪れています。当寺の運河側にタイ語・英語・日本語での寺の看板があります。

 

    ワットパクナム日本別院;

在日の一タイ人の寄進から始まった本格的タイ式寺院です。仏暦2542(1999)年11月14日に地鎮祭が行なわれ、仏暦2547(2004)年完成の予定です。

千葉県香取郡大栄町294―1(0478-73-8090)にウボソ(布薩堂)を建立しています。現在227の戒律を守ったタイ人僧侶もおり、特に在日タイ人が土・日・祝祭日には数多く訪れています。                                              

 

このチラシ(小葉)は、仏暦2545(平成14)年10月現在で作成したものです。

Wat Paknam  Bhasicharoen Bangkok 10160 Thailand  02-467-0811(広報)      


 
戻る