チェンライの山寺(タイ・チェンライ)

朝日新聞 ASPARA ホームページに掲載

2005年1月21日


 タイの山の寺。ここにたどり着くのには、我が家から22時間乗り物のイスに座る“修行”が必要です。

 それでもここがなぜいいかと問われれば、「日本には無い自然があるから」ということだけは間違いなくいえます。チョウの乱舞、トンボの飛翔(ひしょう)、ツバメの飛来、チーク材の木々、そして南国の樹木が花や果実を実らせています。


 ここを訪れると村の人々は「来たの?」とあっさ  りしています。だけど買い物や見たいもの、行きたいところには誰かが連れて行ってくれます。親切や、助け合いも当たり前。それでも「ありがとう」だけではなく、お返しをしたくなるのは人情。


 「何が欲しい」と聞けば「車、家や電化製品」と一気に近代化の品物ばかりが飛び出し、夢は果てしない。


 ここは山の寺なので、食と住は無料。その上瞑想(めいそう)までが道場でできます。音は鳥の鳴き声以外まったくありません。電気もありません。近代的な物は何も無いのです。

 そこに惚れての長旅は苦になりません。今回は「蒸し風呂」に招待され、自然の薬草風呂で心も身体も癒やされました。



04年3月・タイ(チェンライ)にて